TOEFLや英作文で「時系列を整理して話す力」が求められること、ありますよね。
でも、文法用語だけではピンとこない…そんなときは物語の中での使われ方を見てみると、意外とすっと入ってきます。
今回は「過去完了形(had + 過去分詞)」を、小説の一節とTOEFL学習のヒントを交えて紹介します。
過去完了形ってどんなときに使う?
過去完了形は、過去のある時点よりもさらに前の出来事を表すときに使います。
たとえば:
When you called me this evening, I had already finished my homework.
(今夜あなたが電話してきたとき、私はすでに宿題を終えていた。)
この文では、「電話があった時点」より前の出来事(宿題)を語っているため、過去完了形が自然です。
過去の時点が明確にあるときに、過去完了形は力を発揮します。
小説『評決のとき』からの一節
ジョン・グリシャムの法廷小説『評決のとき(A Time to Kill)』では、主人公の弁護士Jake Briganceが、ある裁判の直前にこう振り返ります:
At that moment in court, Jake had defended many clients before, but none had made him question the law itself.
(その法廷の瞬間、ジェイクはこれまで多くの依頼人を弁護してきたが、法律そのものに疑問を抱かせた者は一人もいなかった。)
この文では、「法廷の瞬間」という過去の時点からさらに前の経験を語るために、過去完了形が使われています。
過去の中の過去を整理することで、感情や気づきに深みが出るのです。
🧾 『評決のとき』は、黒人少女が白人男性に襲われた事件をきっかけに、父親が報復殺人を犯し、Jakeがその弁護を引き受けるという重いテーマの法廷ドラマです。人種・正義・道徳が交錯する中で、Jake自身も「法とは何か」を問われていきます。
TOEFLでどう役立つ?
TOEFLのWritingやSpeakingでは、自分の経験を時系列で説明する力が求められます。
たとえば:
Before I joined the school trip, I had never spoken English outside the classroom.
(学校の旅行に参加する前は、教室の外で英語を話したことがなかった。)
このように、「過去の時点(旅行に参加)」より前の経験(英語を話したことがない)を語るときに、過去完了形が自然です。
経験・変化・気づきを伝えるとき、過去完了形はとても便利です。
📝 まとめ:小説から学ぶ文法の「使いどころ」
