― 要点を拾う力と、学びを育てる空気の話 ―
こんにちは、GXA INTERNATIONALで英語コースを担当している吉岡です。
授業の中でこんな声がありました。
「全部の単語を聞き取ろうとすると、逆に意味が入ってこないんです。」
この一言をきっかけに、クラスの中で“リスニングのしかた”についての気づきがいくつも交わされました。
今日はその一部をご紹介します。
情報を減らしたことで、理解が深まった?
ある生徒は、こう振り返ってくれました。
- 「繰り返されるキーワードや、具体例のまわりに集中すると、話の流れが自然と読めるようになった気がします。」
- 「聞き取れない教材をがんばって聞き続けるより、聞き取りやすい英語を段階的に積んだ方が耳が慣れてきた実感があった。」
- 「“勉強しなきゃ”と思わなくなってから、むしろ新しい表現を試せるようになった」
このように、“やめたこと”や“力を抜いた瞬間”の中に、理解が進んだきっかけがあることが多いんです。
認知科学の視点から見ると…
この感覚は、**認知負荷理論(Cognitive Load Theory)**にもつながります。
私たちの脳は、一度に処理できる情報の量に限りがあります。
だからこそ、「全部聞こう」とせず、ポイントを絞ったほうが本当に必要な意味が入ってくる。
さらに、第二言語習得では**トップダウン処理(top-down processing)**と呼ばれる方法もよく知られています。
先に文脈やキーワードをとらえておくことで、細部が聞こえてこなくても内容がわかるようになる。そんな力です。
教室の中で、気づきがめぐるということ
このような“感覚の共有”は、クラスの中で自然に起きていきます。
誰かのひと言が、別の誰かの理解につながっていく——
English Workshopでは、そんな学びの循環が日々生まれています。
まとめ
- リスニングでは、「全部聞こう」とせずに、要点や具体例に意識を向けることがカギになる
- 聞き取りやすい英文を土台に、“聞ける感覚”を積み上げていくことが大切
- 生徒同士の気づきが自然に交わることで、学びの姿勢そのものが変化していく
英語が入ってきたのは、がんばったからというより、
どこに意識を向けたらいいかに気づけたときだった。
その気づきが、教室の中で育っていく——
そんな瞬間を、これからも大切にしたいと思います。