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高校野球留学

カナダ高校野球留学 零凱さん(卒業後)

「カナダ高校留学を終えて」

一度は日本の高校に入学するも、理想とかけ離れた現実に意欲を失い、目的の無い状態で野球を続けていた零凱さん。そんな時、お母さんが見つけた「高校野球留学」に運命的なものを感じ留学を決意。カナダでは、乏しい英語力と元々苦手だった対人関係に苦戦するも、ある「抗議」を皮切りに留学生活が大きく変化。見事現地校を卒業した努力家。

きっかけは母親からの提案

高校入学した頃を振り返ると、まさか自分が留学するとは思いもしていなかったです。普通に高校を卒業して、大学に進学して就職する。ありきたりですが、僕の人生はそうやって進むんだろうな~と思っていました。しかし高校野球がスタートすると「何か違う」という感覚がずっと続きました。「どうして悪いことしていても罰せられないの?野球だけしていればいいわけ?」と、部内で不祥事が起きても、スルーされていることに耐えられなかったんです。そういう事が日常茶飯事に続いていたので野球の部分が全然しっくりこなかった。そんな時、母親が何かを察知したのか「海外高校野球留学」のパンフレットを差し出してくれ「こんなものあるみたいだよ。挑戦してみれば?」と声をかけてくれたのが留学を決めたきっかけでした。

カナダに到着して襲ってきた恐怖

留学をすると決めてから、あっという間に手続きを終えいよいよ出発の時。不思議なことに全く緊張しませんでした。不安もなく、普通に電車に乗るような感覚。僕は天然なのでそういうところあるんですが、カナダのバンクーバー空港に着いたとたん「恐怖」が襲い掛かってきたのです。足が震え、思考回路がストップし「なんで来てしまったんだろう~」「やっていけるのかな?」と、普通は出発前に起こる感情がまさかカナダに到着してからやってくるとは・・・。あの時の恐怖は今でも鮮明に覚えています。なので留学当初はパニック状態であまり記憶がないんです(笑)。

決めつけてしまう性格が裏目に・・

学校生活は苦労の連続でした。まず英語が予想以上に難しかったです。次々に出される課題をこなすのがやっとで、予習はもちろん復習すらできませんでした。要領が悪いのもありますが、僕はわからないことや困ったことがあると自分の解釈で決めつけてしまう欠点がありました。言葉が通じなければその悪い癖が学業成績にも大きく響き、初めの頃は散々な結果でしたね。ホストファミリーも同じで、今思えば、もっと対話をしていれば友好関係は築けたのでしょうが、勝手に決めつけてしまったことで相手を悪い気持ちにさせてしまい、関係はガタガタ。ホストファミリーを変えなければならない状況になってしまいました。

野球があったから踏ん張れた

しかし僕には野球がありました。授業は大変でしたが、野球場だと少しだけ自分らしさを発揮できたと思います。日本に比べて活動日数も練習時間も少なかったですが、カナダでは上下関係もなく、みんな純粋に野球を楽しんでいる印象を受けました。もし野球が無かったら多分卒業はできていなかったと思います。日本では外野が中心でしたが、それまでやったことのなかったピッチャーやキャッチャーにも挑戦させてもらい、すごく楽しかったです。唯一後悔していることは、もう少し積極的に自分から話しかけていれば、もっと英語力も上達したし、チームメイトとも会話を楽しめたかな、と思いますね。

監督への抗議が留学生活を変えた

ある日の試合中に僕が監督に放った一言で、留学人生に転機が訪れました。僕の所属していたチームの監督は一球ごとに配球のサインをキャッチャーに出すのですが、僕はそれに耐えられず、監督のサインを無視して試合を進めていました。監督もだんだん苛立ち、ついに僕は怒られたのですが、僕は無意識に「僕は壁じゃないんです!」と監督に怒鳴ってしまいました。自分なりに打者を研究し、配球を考えるのがキャッチャーだろ、と思っていたのでついついムカッとなって。日本じゃありえないですよね。その後、監督とは口論になりましたが、実はこれを機に監督との距離がグッと縮まり、話すことに恥じらいが無くなったのを覚えています。

留学に失敗なんてない!

留学生活を振り返ると、なんとか卒業できたので「成功」と言えるでしょう。でも自分の中では「大成功」ではありません。やっぱりもうちょっと積極的に話したり、行動していればもっと楽しい生活ができたのかな、と後悔しています。でも留学を通じて自分の弱点が分かりましたし、苦手だった人間関係も克服できた気がします。留学って一見、保証のない進学のように感じますけど、僕は違うと思います。留学に失敗はないと思うし、必ずプラスになることがたくさんあるからです。大げさかもしれませんけど「死ぬこと以外はかすり傷」と誰かが言っていましたが、そのくらいの気持ちで取り組んでいいと思います。大変なことばかりでしたが終わってみると、留学してよかったし、また戻りたい気持ちもありますね! 僕が卒業できたので、きっと誰だってできますよ(笑)。


零凱さん
カナダBC州アボツフォード Yale Secondary高校
日本企業就職

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