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大学野球留学

アメリカ大学野球留学 武蔵さん(卒業後)

「文武両道の野球留学」

留学生活を振り返ってみて

二年制大学から四年制大学に編入して半年経過したところでコロナ感染が拡大し、四年制大学では1シーズンも戦い抜くことができず僕の野球留学生活は終わってしまいました。とても残念でしたが、その時「このまま終わるんだな」と当時のパンデミックの状況などを考えると冷静に受け止められる自分がいて、立ち止まることなく気持ちを切り替えられたことを覚えています。チャンスがあればプロを目指して野球を続けることもできたのですが、良い環境で野球ができるわけでもなかったので、社会人としてしっかり就職しようと思い、学業に打ち込む覚悟をしました。それまでは野球と勉強を両立する生活が当たり前でしたが、急に時間がポッカリ空いたので暇で暇で(笑)。その時間を勉強に充てられるようになり、学業成績はグングン伸びて、卒業する頃の成績はほぼオールAでした!

また僕の場合は大学3年生の終わりに東京で行われた就職フェアに参加し、応募可能な企業の中から大企業をリストアップし面談をしたところ、かなり早い段階で内定をいただくことができました。今思えば、この時点でもう卒業後は日本の会社で働くために頑張ろう!と心の中では決めていたのかもしれません。それからはとにかく「卒業しなきゃ」というプレッシャーとの戦いでした。ですので卒業が決まった時は「やっと終わった・・・」というのが率直な感想でしたね。

コーチの一言で成長した投手としての能力

僕はアメリカで6マイル(約8キロ)もスピードがアップしました。これは2年制大学時代の投手コーチの一言が大きかったと思います。コーチに言われたことは「集中しろ」「ミットだけを見て投げろ」のみ。初めは「この人何言ってんの!?」と思いましたが、最終的にコーチの言っている意図をしっかり理解することができ、自分を投手として大きく成長させてくれたアドバイスでした。

コーチが教えてくれた「集中」方法とは、マウンドに掘られた穴をしばらくじっと見つめ、そのあとミットだけを見て投げろ、という至ってシンプルなやり方。打者には一切見をやらずに、ミット目掛けて投げ込むだけです。それで打たれたのなら自分の実力不足だ、ときっぱり言われました。初めは半信半疑で取り組んでいましたが、僕のスタイルに徐々に定着し始め、2年目のシーズンは自分でも満足のいく成績が残せエースになることができました。この時、速球のスピードは最速92マイル(148km)を計測するようになりました。

2年制大学と4年制大学の違い

野球面での大きな違いは、ピッチャーであればコントロールの精度です。4大レベルになるとボール球はほとんどなく、スピードも常時85マイル(136.8km)以上。2年制大学の時は先発投手は良くても2番手、3番手がストライクが入らずに試合を崩してしまうことがよくありますが、それは全くありませんでした。
打者においては選球眼の良さとパワーの違いですね。それまで低めの変化球で空振りを取れていたのが、全く振ってくれなくなり、これはまずいと思いチェンジアップを覚えました。
学業面においては、明らかに勉強に費やせる時間が減りました。朝練こそありませんでしたが、遠征時の移動範囲が広がり宿泊日数も増え、勉強できる環境が制限されるようになりました。宿泊先のホテルでは勉強する気にもならず、移動のバスの中で課題を終わらせるのが僕のルーティーンでした。あとは同じクラスを取っていたチームメイトたちと学習グループを組んで協力していましたね。助けてもらうこともありましたが、僕が彼らを助けることの方が多かったかもしれません。アメリカ人全然勉強しないし、先生の話も聞いていないことがあったので(笑)。

「動く力」が身についた

僕が留学生活を通じて得られたことは「動く力」です。留学前は親が色々と動いてくれたので自分で何かをするということがほとんど無かったのですが、アメリカでは全て自分でやらないと生きていけません。常に自分で考え、プランを組まないと何事も先に進めないので、自分で動くという習慣が身につきました。課題が出されても先延ばしにはせず、早め早めのアクションが取れるようになりました。
些細なことかもしれませんが、僕としては大きな成長だと思っています。整理整頓もできるようになったし、綺麗好きになりました(笑)。荷造りの際は服が綺麗に畳まれてないと気持ち悪いと思うくらい好きになりました。

留学を考えている方へのアドバイス

まずは英語の学習。これなくして始まりません。あとはアメリカ文化に興味を持つことがとても大事だと思います。アメフトやバスケに興味がなくても、まずは一緒に観てみる。やったことない遊びでも食べたことのない食事も、まずは試してみる。試していないのに否定するのは良くないと思います。その国に行ったのだから文化を受け入れることはマナーだと思うし、もしかしたら自分にとってプラスになることがあるかもしれません。

文化だけでなく、野球も一緒だと思います。正直、僕も初めは指導方針や戦略に疑問を抱くことはありましたが、まずは受けれいてみました。前に触れた投手コーチの教えもその代表例です。僕は頑固な性格なので時間がかかりましたが、なんでも吸収しようという姿勢がアメリカでは大切なのではないかと思います。


武蔵さん
目白研心高校
2年制大学:Monterey Peninsula College
4年制大学:California State University, Monterey Bay (NCAA D2)
大手銀行入社(2021年10月〜)
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